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(株)構造計画
免震,制振,構造設計,耐震診断,伝統木構法
一級建築士事務所(株)構造計画,摺木勉
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免震便り

「免震構造の不確定要素」
No.08 2000/12

鳥取地震から2ヶ月が過ぎました。発生の11日後、県は住宅再建に300万円の補助金支給を決定しました。被災地では建物の補修や新築の槌音が響く「年の瀬」ということです。
「後で取り壊す仮設住宅にお金を使うより、ずっと残る住宅再建を支援する」という判断は、地震で壊れない免震構法への助成制度にもつながるのではと、新世紀へ希望がふくらみます。
たまプラーザの免震診療所は、内外装仕上げ工事が大詰めです。

免震構造の不確定要素
建物にかかる地震力は、骨組みの弾性変形とさく性ひずみ及び減衰による建物の「3つのエネルギー吸収力」と相打ちして勢いを消滅します。このうち、減衰以外のエネルギー吸収は建物に変形ひずみをもたらしますが、これを有害な損傷に伸張させずコントロールするのが在来の「耐震構法」です。
しかし、木構造接合部の変形能力、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の施工法と非構造材の影響、部材の変形が弾性域を超えた後の現象の複雑さ等から、建物の「エネルギー吸収能力」実態は明快ではなく、解析結果には一定の不確定要素を残します。
では、免震構法はどうでしょうか。地震力を一手に引き受ける免震装置には、代表的なものとして「積層ゴムと鉛棒」2種類の部材構成があります。その変形と減衰による「エネルギー吸収能力」は実験によって検証され、設計モデルと解析結果はほぼ一致して精度が高く、不確定要素は少ないとされます。
診療所の地震応答計算は、等価線形化法による手計算としました。河村壮一博士の「免震装置の簡易計算法」(都立大、大学院講義ノート)によるものです。10階建てでも1個の串団子にモデル化できる免震構造の単純さと明快さが、こうした手法を可能にしているのではと実感しました。
20世紀耐震工学の大きな成果「免震構法」を、広く人々の暮らしの安全に役立てたいものです。よいお年をお迎えください。(摺木)

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